美国放弃为预防世界同时发生大规模战争的双面作战计划迄今已逾十年。战后,美国正是凭借压倒性的军事力量主导了世界秩序的重建,并在与苏联的对峙中取胜,让双面作战成为可能。
米国が世界で大規模紛争が同時に発生した場合に備える「二正面作戦」を放棄してから10年が過ぎた。戦後、世界の秩序づくりを主導し、ソ連との冷戦に勝利したのは、この二正面作戦を可能にする圧倒的な軍事力だった。
2012年1月,奥巴马宣布结束双面作战这一国防方针。此后,奥巴马还表示将不再承担“世界警察”这一职责。
2012年1月、オバマ米大統領は国防方針であるこの二正面作戦の断念を宣言した。その後、「世界の警察官」役をやめると表明した。
2001年美国遭遇恐怖袭击后,时任总统的布什发动了阿富汗和伊拉克两场战争,战争以及经济危机让美国充斥着厌战的气氛。这就是双面作战无法继续维持的背景。
01年の米同時テロ後にブッシュ大統領(第43代)が始めたアフガニスタンとイラクの2つの戦争、リーマン・ショックによる経済危機が米国に厭戦(えんせん)気分をもたらした。それが二正面作戦を維持できなくなった背景にある。
美国在放弃前,双面行动的对象是中东和朝鲜半岛。目前,俄罗斯领导人普京正考虑军事入侵乌克兰。
米国が放棄以前に描いていた二正面作戦の念頭にあったのは、中東と朝鮮半島だ。現在、ロシアのプーチン大統領がウクライナへの軍事侵攻をうかがい。
在放弃双面行动后10年,美国又被迫面对中俄的“双头动作”,这几乎是一个战略错误。
二正面作戦の断念から10年を経て中ロの「二正面」に向き合わざるを得ないというのは、米国にとって戦略ミスに近い。
美国放弃双面战略的同时,也提出了再平衡政策,将国防的轴心从中东转移到亚洲。其目的不在对抗衰弱中的俄罗斯,而是为了将注意力集中在军事和经济上都在崛起的中国以应对其威胁。
二正面作戦の放棄と軌を一にして米国が打ち出したのは、中東からアジアに国防の軸足を移す「リバランス」(再均衡)政策だった。衰退するロシアではなく、軍事、経済で台頭する中国に照準を絞り、その脅威に対抗する狙いである。
如果基于放弃双面行动只针对中国制定战略,不排除中长期上美俄关系改善的可能。
中国という「一正面」に向けて戦略を練るのが、この二正面作戦断念の含意だとすれば、中長期的には米ロが接近する展開も排除されない。
这一想法来源于尼克松在冷战期间对中国的闪电式访问,为中美邦交正常化铺平了道路。
米ソが対峙した冷戦下にニクソン大統領が電撃訪中して国交正常化に道筋をつけたのと似た発想だ。
乌克兰的紧张局势与美俄和解的假设完全相反。普京超出了美方的猜想,致使美国对俄罗斯的战略关注价值大大提高。
ウクライナ情勢の緊迫というのは、米ロ融和の仮説と真逆になる。プーチン氏が米側の思惑を逆手にロシアの値をつり上げているようにも映る。
鉴于美俄关系,从长远来看,乌克兰的军事紧张局势即使出现小规模冲突,也不会演变成大规模战争。
米ロ接近が長い目でみてあり得るとの考えに立つと、ウクライナの軍事的な緊張は、小競り合いがあったとしても、大規模な紛争に発展しないことになる。
另一方面,就乌克兰局势的现状而言,也不能放松警惕。美国政府预测,如果俄罗斯入侵乌克兰,将导致至多达五万名平民伤亡。
一方でウクライナ情勢の現状をみる限り、予断を許さない。米政府はロシアがウクライナに侵攻したら、最大5万人の民間人が死傷する恐れがあると予測する。
日本首相岸田文雄必须留意两点内容。一是美国将在俄罗斯军事入侵乌克兰时对俄实施制裁,但美俄仍然保持结构性往来。
岸田文雄首相は2つの点を留意しなければならない。ロシアがウクライナに軍事侵攻した時に対ロ制裁で米国と協調するものの、米ロには構造的に歩み寄る動機が残ること。
第二点内容是,美国在乌克兰局势中表现出的“软弱”并不一定意味着在台湾问题上也会采取相同态度。放弃双面作战的核心就在这里。
もう一つはウクライナ情勢での米国の「弱腰」が台湾有事での「弱腰」を必ずしも意味しないとの推論だ。二正面作戦の放棄の主眼がそのよりどころになる。
自奥巴马以来,特朗普和拜登执政期间,“弱美国”的趋势都没有改变。而“弱美国”形象下的美国国防有更强的选择性和集中性。
オバマ氏以降の「弱い米国」の流れはトランプ大統領、バイデン大統領でも、変わらない。「弱い米国」の国防は選択と集中の傾向が強まる。
日美澳印组成的“四边机制”(Quad)以及美英澳安保“铁三角”(AUKUS)都是美国国防力量的补充组织。
日米豪印による「Quad(クアッド)」や、米英豪による安保の枠組み「AUKUS(オーカス)」は、米国の国防力を補う枠組みだ。
日本在重视与美国建设同盟关系的同时,也需要发挥主动性。例如在乌克兰问题中,日本对欧美以及俄罗斯的应对将被分析,用于回答“日本的国家利益所在”这一问题。
日本は米国との同盟を重視する半面、主体的な取り組みも必要になる。ウクライナ情勢でいえば、問われるのは、米欧とロシアの応酬を冷徹に分析する「日本の国益は何か」という眼と判断である。
本文内容来自日本经济新闻,2022年2月10日
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